君色ボイス
〈Side:誠司〉

あいつら、絶対に聞こえてること知らないだろ…班ごとに入浴時間は決まっていて、今は俺らの班だ。女湯から聞こえてくる会話内容は、とてもじゃないが、聞いてられるものじゃなかった。

「あーあ、混浴あればよかったのに。」

「輝、キモい。だいたい、あったって、入る訳がないだろ。」

「まぁ、混浴は男の憧れだよな。」

琉麻まで言い出すし。てか和沙、最近育ってきたと思ってたら…絶対、俺の挑発が原因だろ。最近、和沙が他の男に見られたくなくなってきた。

「てかさ、前から気になってたんだけど、誠司って安藤のこと好きなの?」

「それ、前に輝にも聞かれたけど、絶対ないから。」

「じゃあ、なんであんなに安藤のことかまってんの?」

「そ、れは…」

確かに、俺、なんであいつのこと…


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