君色ボイス
「和沙。」

誠司くんに呼ばれると一緒に、体があたたかくなった。それが、誠司くんに抱きしめられてると気づくのに時間はかからなかった。

「せ、誠司くんっ!?」

「和沙、お前がんばってきたんだな。でも、辛いときは辛いって言わなきゃ駄目だからな。お前の親友のあいつらにも言えないことがあるなら、俺に言え。分かったな?」

「はい…誠司くん、今日はなんか優しいね。私は、こっちの誠司くんのほうがいいなぁ。」

「…和沙、ちょーし乗んな。弱ってるヤツに漬け込んで、金品貰う。これこそ、詐欺のやり方だろ。お前、絶対詐欺に引っかかるわー。」

誠司くんのバカ。私だって、詐欺は引っかからない自信がある。

「…誠司くん、あのさ…三者面談ってお父さんのほうがいいのかな?」

「そりゃそうだろ。でも、無理はしないほうがいいぞ。」

「うん…でも、誠司くんに話したらちょっと楽になった。一度、話してみる。」

「応援してる。」
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