君色ボイス

気づいた気持ち

事件は梓ちゃんが大事にしたくないと言ったので、そこで終わった。今は帰り道。梓ちゃんは辻岡くんと帰ったから1人で帰ろうとしたら、誠司くんに捕まり、仕方なく一緒に帰ってる。

「和沙は無理しすぎなんだよ。」

「だって、梓ちゃんが拐われたって聞いたら、私、動かずには入れなかったんだもん。でも、誠司くんが来てくれてよかったー。」

「俺、行くなって言っただろ。気になって行ったら、なんかやられてるし。本当に感謝しろよな。」

「はいはい。ありがとうございました。」

「…で?」

「ん?何?」

「…親父さんとは話せたのか?」

あ…忘れてた。梓ちゃんのこと考えてたら、そんなの頭になかった。

「話してないのか?」

「まぁ、ね。だって、梓ちゃんが心配で。それに、お父さん、私の話聞いてくれなかったし。」

「それでいいのか?」

答えられず、私はその場で立ち止まってしまった。いい訳はない。でも、そこまでして、お父さんと私の関係は変わるのかな…?
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