君色ボイス
「はい、どちら様…和沙ちゃん!?あなた、無事だったのね。」

「……無事?どういうこと?」

「美弥ちゃんが大怪我して和沙ちゃんの部屋で泣いてたから、話を聞いたら和沙ちゃんが危ないって言ってて…でも、無事でよかったわ。」

「…心配されるような事じゃないから。」

こういうときだけ母親ぶって…私のことなんて…

「和沙。帰ってたのか。」

後ろのほうから聞こえた声。嘘でしょ…

「お父さん。なんで外に?今日は早く帰ってきてたじゃん。」

「和沙。お前が俺のこと嫌ってるのは知ってる。それに許してもらえるとは思ってない。でも…俺は和沙の父親だ。捜してきて何が悪い。」

「嘘…嘘に決まってる。私のことなんて、どうとも思ってないくせに!!」

「和沙!!……泣くぐらいならそんなに強がんな。」

私、また泣いてるんだ。今日は泣いてばっかりだ。今の注意でお父さんたちは誠司くんに気が付いたらしい。

「君は…?」

「橋立誠司といいます。和沙さんとは高校のクラスメートでして。今日のことは俺から、説明させていただきます。」

そして誠司くんは今日起きたことを事細かにお父さんたちに説明した。

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