Believe*Future
雅さんに今の状況を伝えた。
珍しく雅さんは動揺していた。
当たり前だ。
姉ちゃんは輝神の姫だ。
輝神の姫がいなくなるってことは、チームの軸が崩れるってことだ。
その状態を作ったのは紛れもなく俺だ。
「雅さん…」
雅『すいません、動揺をしてしまって。
分かりました、俺たちも総力上げて探す。』
「怒らないんですか?」
雅『奏心は結愛を心配して聞いたじゃ?
それなら、怒る理由は分からない。
でも、少しだけ怒りは覚えたけど』
「……。」
雅『でも、それは済んでしまったこと。
大丈夫です。結愛は必ず探し出す!』
「お願いします!」
俺は電話を切った。
あの雅さんも姉ちゃんがいなくなったことで動揺していた。でも、やっぱり雅さんだ。
蒼「奏心、連絡しました?」
俺は頷いた。
蒼「じゃあ、向こうは向こうで探すと思うけど、
途中情報交換しないとですね。」
「……。」
蒼「いつまでそんな顔をしてるつもりですか?
直也は動き始めましたよ。
だから、奏心も早く顔をあげて動いて下さい。」
「分かった。」
もう、2度と間違いを起こさない。
大切な人がいなくなるのは嫌だ。
だから、姉ちゃん無事でいて。
俺を許さなくていいから。
必ず信じるって誓うから。
姉ちゃん…ごめんね……。
side奏心end