光を求めて
目もふさぎたくなるほどの傷。
治らないかな~。
そんなことを思いながら立ち上がる。
今日もあの豪華な部屋に連れて行かれる。
あの日以来、あそこの扉は開いていない。
やっぱりあの時開いていたのは私の期待をどん底に落とすためだった。
下を向きながらとぼとぼ歩く。
「?」
廊下が明るい・・・?
パッと顔を上げるといつも開いていないはずの扉が開いていた。
どうして?
しかも今日はいつも右に曲がるはずのところで曲がらす扉の方に歩いていく。
外に出られるの・・・・?
いや、考えちゃダメ。
また裏切られるだけだから。
そう思っていたけど違った。
本当に外に出たのだ。
「眩しい・・・」
太陽の光を久しぶりに浴びた気がする。