光を求めて
「いった・・・」
横に倒れた。
辺りを見てみると男の人の手から鎖が離れており、気を失っていた。
馬を操っていた人も気を失っていた。
チャンスだ・・・。
恐怖心はなくなり無我夢中で馬車から這い出た。
幸運なことに倒れた衝撃で足枷と手枷の鎖がちぎれていた。
後ろを振り返らず走る。
目的地なんてない。
とにかく走る。
転んでも走る。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・」
どれくらい走ったのだろうか。
気付いたら川に来ていた。
手ですくい飲む。
喉の渇きを潤すかのように何度も何度も。