光を求めて



「いった・・・」




横に倒れた。




辺りを見てみると男の人の手から鎖が離れており、気を失っていた。



馬を操っていた人も気を失っていた。




チャンスだ・・・。




恐怖心はなくなり無我夢中で馬車から這い出た。



幸運なことに倒れた衝撃で足枷と手枷の鎖がちぎれていた。




後ろを振り返らず走る。



目的地なんてない。


とにかく走る。



転んでも走る。










「はぁはぁはぁはぁ・・・・」



どれくらい走ったのだろうか。




気付いたら川に来ていた。



手ですくい飲む。



喉の渇きを潤すかのように何度も何度も。



< 16 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop