光を求めて



「日本人か?」



「・・・」



声が出なかった。



「おい?」



聞きとれる。


今まで聞きとれなかったことが聞きとれる。




「聞いてるのか?」



「っ!」



少し声が低くなったため体が震えた。




怒られる殴られる・・・。




「大丈夫「いや!!!」っ」




少年の手が私の頭に触れようとしたとき反射的に声をあげてしまった。





がたがた震える。




日本人でも分からない。



信じちゃダメ。




「わりぃ」



少年は手を引っ込めた。




「えっと、俺、一昨日からここに来てるんだけどお前はいつから?」




「・・・」



ここが暗いから気付かないのかな。



私が傷だらけで服がボロボロのことに。



手枷、足枷がついているとこに。



ううん、気付くはず。



なら、あえて言わない?



どうして?



あの人たちも私がこんな姿でも何も言わず一緒に暮らしてくれた。



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