光を求めて



体の隅々まで洗った。



何度も何度も。




鏡で体を見てみると醜くなっていた。




「・・・・・」




汚いな・・・。




お風呂から出て用意された服を着る。



男性用のジャージだった。



あの人のものかな?



そう考えつつさっきの部屋に戻る。




「あ、上がりましたか」



救急箱を手にしてお兄さんはベットに座っていた。



「こちらに座ってください、手当てしますので」


ベットに近付きお兄さんの隣に座る。



お互いに何も話さず手当てが終わるのを待っていた。



「終わりましたよ」



「ありがとうございます」



「気にしないでください」



そう言うと救急箱を持ってどこかに行ってしまった。



また部屋に帰ってきたと思えば食事を運んできてくれた。




「一緒に食べましょう」




ニコッと微笑まれ何故か照れてしまった。



小さなテーブルを2人で囲う。



どれも美味しそうだった。




「いただきます」



お兄さんはそう言い食べ始めた。





「いただきます・・・」



私もそう言い食べ始める。



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