光を求めて
美味しかった。
とっても。
「美味しい・・・」
「美味しいですね」
ゆっくり味わって食べた。
「食べながらお話しますね」
唐突にお兄さんが話し始める。
一旦食べるのを辞める。
「ここはホテルです。
あなたをここに連れてきたのは泉 陽雅(いずみ ようが)さんです。
そして私は陽雅さんのお世話係の上川 卓(かみかわ すぐる)と申します」
「お世話係・・・?」
「ええ。陽雅さんは巽組(たつみぐみ)の若頭です」
「??」
「巽組というのは裏の世界で有名なヤクザです」
「ヤクザ・・・」
「警察と手も組んでおりますので安心してください。
危険な人たちじゃないですよ」
お兄さんを見る限りそんな風には見えなかった。