光を求めて
がちゃ
上川さんとご飯を食べていると扉が開いた音がした。
「帰ってきましたね」
先に食べ終わった上川さんは扉を見つめている。
私たちがいる部屋の扉のドアノブが回される。
がちゃ
「ただいま」
「おかえりなさい」
入ってきた人は紛れもなく昨日会った人だった。
スーツを着ていた。
「起きたのか」
私を見るなり微笑む。
「あ、はい・・・」
「悪いな、俺の服しかなくて」
ネクタイを緩めながら近付いてきた。
「あ、この服って」
「そう、俺の」
やっぱり。
男の人の服を着るのは初めてで少し照れくさかった。