光を求めて
「ありがとうございます」
食べるのを辞め、お礼を言う。
「気にするな。ほら、早く食え」
「はい」
パクパク食べる。
その姿をじっと見られていて正直食べにくい。
「陽雅さん、そんなに見ていては食べにくいと思いますよ」
気付いてくれたのか上川さんが言ってくれた。
「あ、わりぃ」
そう言い顔を背けた。
「あ、卓。
伝えた?」
「はい。言われたことは全て伝えましたよ」
「ありがとな。
名前聞いてもいいか?」
ちょうど食べ終わったので「ごちそうさまでした」と言い、口元を拭って
「橋本千鶴と言います」
名乗った。