光を求めて



「千鶴」



泉さんに名前を呼ばれ顔を上げる。




「触れてもいいか?」



「え?」



「昨日、触れようとしたら拒んだろ。
触れてもいいか?」



「大丈夫です・・・」



そう言うと泉さんの手が私の頭におかれた。



ポンポン



「最初は信じなくてもいい。
疑っても構わない。
だけどな、これだけは分かってくれ。
俺と卓は千鶴を裏切らない。
助けてって言ったよな?俺たちは助けを求められたら全力でソイツを助ける。
手を差し伸べる。絶対に離さない。何があってもな」



「っ・・・・」



2人とも笑顔だった。



その笑顔が眩しくて優しくてまた涙が溢れてきた。




「私・・・。
ここに来る前、この国の人と一緒に暮らしていたんです。
すごく親切で幸せだと思ってたのに・・・。
ある日、外で何かやってるなって思って見てみたら私を監禁していた人がいてっ。
お金渡してるの見て怖くなって必死に逃げてきて。
もう、どうしたらいいかわからなくなってっ」



「もういい。もういいから」




泉さんの胸の中にいた。



安心させるかのように背中を叩いてくれる。



一定のリズムで何度も。


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