光を求めて
「千鶴、泉さんたちは大丈夫よ」
「え?」
「そうだぞ、あの方たちは強いんだ。
必ず帰ってくる」
まるで私をあやすかのような口調だった。
「なんでそんなことが分かるの・・・?
強くても必ず帰ってくる保証なんてないじゃん!!」
例え強かったとしても人間なんだもん・・・。
いつ死ぬかなんて分からないじゃん。
「千鶴・・・」
お母さんが私を抱き締める。
「千鶴、聞いて」
「なに・・・?」
「日本を飛び立つとき、泉さんたちが私たちに言ったの。
“娘さんが帰ってきて俺たちが帰ってこなかったとき、俺たちのことは忘れてください”って。
きっとそれだけ危険なことなんだって思ったら私たちは何て残酷なことをこの人たちに頼んでしまったんだろう、って後悔したの。
千鶴ごめんね。ごめんなさい・・・」
ただ泣くことしかできなかった。
返事なんてできなかった。
「忘れたくないよ・・・」
「千鶴・・・」
「忘れたくないっ。
だって、不安な時そばにいてくれた・・・っ。
安心させてくれたっ・・。
大丈夫だって言ってくれたの!
こうやって帰ってこられたのも泉さんたちのおかげなの・・・!!」
「うんっ・・うん・・」
泣き続ける私の背中をお母さんはずっとさすってくれた。