光を求めて
仕方なくクローゼットを開ける。
「あ・・・」
クローゼットの隅の方にかけてある服を見て胸が苦しくなる。
泉さんから借りたジャージだった。
そっと触れてみる。
「返せる日くるかな」
くるといいな、そう思いながら着ていく服を選んだ。
着替えてリビングに行くとお父さんもいた。
「準備できたか?」
「え、うん」
私たちは家から出て車に乗り込む。
「ねぇ、どこに行くの?」
「行ったらわかるよ」
それ以外なにも言ってくれなかった。
車に揺られること30分近く。
大きな家に着いた。
「どこ・・・?」
綺麗な庭があって相当なお金持ちが住んでるのは分かった。