光を求めて
「なぁ、ちょっとこっちこい」
今は泉さんと向かい合う形で座っている。
こっちこいってことは隣にこいってことかな?
「あ、はい」
恐る恐る近付いた。
隣にはさすがに行けなかったから前に座った。できるだけ近付いて。
むにゅ
「へ!?」
「うん、いい顔だ」
「いひゃいれす」
両手で頬を包まれた。
力はそんなに入れてないから痛くはない。
「ふふっ」
笑ったかと思えば離された。
「なんですか?」
頬を抑えながら聞く。
「千鶴が誰にも貰われなかったとき俺が貰ってやるよ」
「はい?」
意味が分からず問い返す。