光を求めて
恩を返すのは難しい。
なら私は笑っていよう。
2人が素敵だって言ってくれた笑顔だもん。
大丈夫、私はもう笑える。
もう奴隷なんかじゃない。
橋本千鶴という1人の人間。
泉さんが大丈夫って言うなら大丈夫。
もう逃げないよ。
車の中から青空を見上げ微笑む。
「がんばるよ」
そう呟き泉さんと上川さんの笑顔を思い浮かべる。
自然とパワーが貰えたような気がした。
「千鶴どうかした?」
「なーんでもないよ!」
うん、これが私。
もう汚いなんて思わない。
私は私だから。
お父さんとお母さんと他愛もない会話をしながら家に帰った。
『終わり』