椎名くんの進級
「よしゃっ。」
神井先輩はドアの向こうで烈しくガッツポーズしているようだが、俺達が出て行くならこのタイミングしかないよな。俺達4人が目で頷き合っていると、神井先輩のほうが先に部室のドアを開けた。そして、部室内に俺達がいるのを見てその場に凍り付いた。
俺達はどこを見て良いのか分からず、ドアを開けて立つ神井先輩から反射的に目を逸らした。どうすれば良いのか誰もわからない。「お疲れさまです。」か、それとも「ここ使っています。」とでも言えば良いのか?
誰もが無言だった。たっぷり30秒は経ったか、神井先輩はそのまままたドアを閉めた。
ほどなく大野先輩が戻って来てしまった。神井先輩は、やっぱり帰ろうと言って、半ば強引に大野先輩を部室から連れ出し、そのまま帰って行った。
大野先輩が不思議そうに帰り支度を整える間、俺達は部室で息を潜めて、ひたすら大野先輩が部室に来ませんようにと祈っていた。先輩達が出て行くと、俺達は誰とも無く安堵のため息を吐いた。疲れた。
神井先輩はドアの向こうで烈しくガッツポーズしているようだが、俺達が出て行くならこのタイミングしかないよな。俺達4人が目で頷き合っていると、神井先輩のほうが先に部室のドアを開けた。そして、部室内に俺達がいるのを見てその場に凍り付いた。
俺達はどこを見て良いのか分からず、ドアを開けて立つ神井先輩から反射的に目を逸らした。どうすれば良いのか誰もわからない。「お疲れさまです。」か、それとも「ここ使っています。」とでも言えば良いのか?
誰もが無言だった。たっぷり30秒は経ったか、神井先輩はそのまままたドアを閉めた。
ほどなく大野先輩が戻って来てしまった。神井先輩は、やっぱり帰ろうと言って、半ば強引に大野先輩を部室から連れ出し、そのまま帰って行った。
大野先輩が不思議そうに帰り支度を整える間、俺達は部室で息を潜めて、ひたすら大野先輩が部室に来ませんようにと祈っていた。先輩達が出て行くと、俺達は誰とも無く安堵のため息を吐いた。疲れた。