夏狩り過程
他にも。
パンパンだった箱から出てきたのは、キラキラ、私の目を惹くものばかり。
ピンクの小さなビーチサンダル
金魚鉢
ぺったんこのビーチボール
シーグラスのキャンドル
色とりどりのかんざし
向日葵と花火の絵はがき
朝顔の種
きれいな貝殻
たくさんの線香花火
折り紙のネックレス
くらげみたいな風鈴
そして散らばる、アクリルアイス
キラキラ、輝いて
ふわりと、海の潮のにおい
「───これ、」
まるで、夏をひとつにとじこめたみたいな段ボール箱。
「なつ、かしい……」
これ。誰から、もらったんだっけ。
すっかり忘れてたけれど、どれもこれも見覚えのあるものばかり。
誰かからもらった。
それだけはなんとなく、覚えてる、けど。
「……きれい」