夏狩り過程
「何だそれ。部屋入っていい?」
小さく笑いながら要はビーチサンダルを木の上に器用に放り投げた。
「あ、うん、いいよ!待ってて今麦茶もってくる」
「待って百。先にこれ見て」
ハイ。
手渡されたのはシーグラスのキャンドル。
「わあ。きれい……」
「だろ。あげる」
青と水色と白の石の。
まるで海と空を縮めたような。
ちょっと得意気に、嬉しそうに笑う要。
どうして要はいつも私の好みぴったりなものをくれるんだろう。
「……っあ、私も!」
ハッとして要に向き直る。
え、と驚く要に、ニヤリと負けじと得意気な笑みを披露してから。
「じゃーん」
机の上にあったうちわをかかげた。
紫とピンクの朝顔の刺繍入り。おまけに西瓜。要のおばあちゃんの西瓜がすごく美味しかったから、そのお礼も込めて。
「すげー!」
私の手ごとうちわを掴んで、うおぉ!と太陽にかざす要。
「ほんとに刺繍うまいんだな、百!」
「そうだよ嘘じゃないよ、朝顔だよ」
「朝顔だ!西瓜もっ」
「きれいでしょ」
「きれい!」