夏狩り過程
あとがき
そんなふたりの、夏狩り過程。
お付き合いありがとうございました。遅筆でお馴染み作者の颯希です。
このたび素敵作家の木元さなさまにラブコールを続けまんまとさなちゃんの初コラボをゲットしました。ありがとうございますありがとうございます。
さなちゃんと私には“夏が好き”というなんとまあ運命的な共通点がありました。そんなこんなで好きなものを書かせてもらいました。
テーマは『夏休み』。
いつも書いているような高校生よりも少し大人な大学1年生のふたりの話。
今の私だから書けました。
歩き慣れているはずなのにどこか懐かしい帰り道。
さんざん親しんだ居間の戸の感触。
この前まで毎日顔を合わせていた家族。
やっぱりあたたかい、この街のにおい。
そんな形容しがたい情感を、なんだか今年は新鮮な予感がする夏の音にのせて。
ひさしぶりの街で、百は要に出会いました。
心ざわめく新しい出会い。
けれど縁とは不思議なもので、要はずっと前から百を知っていました。
新しくはない。実は彼もこの街と一緒。
懐かしく必然的な“再会”だったのです。
ふたりはこの夏休みをどのように染めるのでしょう。
特別なイベントなんていらない。
あなたが隣にいて、笑って、夏を探しにいくだけで。それだけで懐かしいふたりにとってはじめての、新しい思い出がまた重なる。
そんなふたりの、夏狩り過程です。
夏はやっぱりじっとしていられませんね。もううずうずして窓から外に飛び出しそうな勢いです。西瓜なんて易々と丸呑みしちゃう勢いです。
ふたりの夏狩り過程、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
要、百、ふたりを生み出して愛してくれた木元さなちゃん、そしてふたりを立派に輝かせてくれた読んでくださったみなさん、ありがとうございました。
それでは。
隠しきれない高揚を夏風に乗せて。
20150812 颯希