恋の方程式
ついてるも何も呼び方!!

そして喋り方!!!

え、えぇー!!!!!!

ちょ、待って。

だってさ、さっき『僕』って言ってたよね?

なのに、なんで『俺』?!

目の前にいる人は誰なの?!

「おーい?大丈夫かー?」

はっ!

「あ、あの。優くん?」

「なに、なにか用?」

「いやー...、用というかお尋ねしたいことがあるというか...」

「んー?言ってみ?」

え、まってほんとに誰。

はっっ!!

もしかして自分作ってるとか?!

そうだったら恵実にも知らせなきゃ!!

足の痛みも忘れて、くるりと後ろも向いて走り出そうと一歩踏み出した瞬間。

「いっっったぁ!!!!!!!」

激痛が足に...!

そのまま崩れるようにしてうずくまる私。

「ばかなの?」

「なっ...!ばかじゃない!」

「じゃああほ?」

「それも違う!」

この人一体誰!!!

???が飛び交う私を見た彼は、思わずと言った感じで吹き出す。

「なんて顔してんだよ」

たまらず恥ずかしくなった私は、顔を背ける。

「そんなに笑わなくていいじゃん」

「今の顔撮っとけばよかったなー」

すげー面白かった、と未だに笑っている彼を恨めしそうに見てみるものの、その顔すらも彼にとっては面白いらしく、さらに笑われる。

「さっさと肩貸してくれませんかね」

「前を見ずに人に突進してきてぶつかった癖して、そんなこと言える立場?」

痛いところを突かれる。

「ごめんて思ってるから」

「肩貸すのはいいけど、歩けるの?」

「頑張ればなんとか」

ひょこひょこと歩いてみせる。

「おっそ」

「しょうがないでしょ、上手く歩けないんだから」

「それならこっちの方が早い」

そう言った彼は、私の方に近寄ってきて軽くお姫様抱っこをする。

「なにやってんの?!重いから下ろして!」

「そんな歩き方で保健室まで行くと夕方になる」

もう既に夕方なんですがね!!!

そんな私を知ってか知らずか、スタスタと歩き始める彼。

素晴らしいスルーを決められた私は、借りてきた猫状態で大人しく腕の中にいることにした。

━━━━━━━━━━━━━━━━………

コンコン ガラッ

「失礼しまーす」
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