坂道では自転車を降りて
「ねぇねぇ。聞いてすごいの!」
夏休みの活動日、朝、部室に入るなり、大野多恵が俺に話しかけて来た。
「何?」
「これ、この曲。聞いて。」
どこからかパソコンを持ち出し、音楽をならし始めた。ピアノの音、シンプルな旋律が波のように折り重なる。星空が広がるようなイメージの曲だった。
「いいでしょ。今度の劇に合いそうでしょ?」
目を輝かせて俺の顔を覗き込んでくる。
確かに、出会いや独白の部分のBGMにいいかもしれない。聞いている間に、曲はアップテンポに変化した。別の曲だが、よく聞くと同じ旋律がでてくる。曲は数曲あった。どれも同じ旋律から編まれた曲だった。
「これ、何の曲?」
「これ、川村くんが作曲したんだって。」
「川村が?自分で作ったのか?どうやって?」
驚いて川村の顔を見た。
「まだ途中。これを、シーンに合わせていろいろアレンジして、何曲か作ってみるつもりなんだ。」
「そんなことが、出来るのか?」
音楽をやっているとは知っていたが、作曲ができたのか。
「やってみないと分からないけど。。。出来上がりを聞いてみて、使うかどうかは任せるよ。他の選曲も進めておくし。」
いつもポーカーフェイスの川村が照れている。なんか面白い。
「ね。すごいでしょ?」
大野多恵は自分のことのように自慢げだ。
「そうだな。驚いた。川村。すごいよ、お前。」
本当にすごい。こんなの誰にでもできる事じゃない。
「いや、まだ出来てないから。。」
ますます照れている。面白い。
彼女はさらに話を続けた。
「それより、神井くん、これに合わせて詩を書けない?」
詩?歌にするつもりなのか?
「俺は曲に会わせて詩を作るなんて、器用なことはできないよ。」
「無理?」
夏休みの活動日、朝、部室に入るなり、大野多恵が俺に話しかけて来た。
「何?」
「これ、この曲。聞いて。」
どこからかパソコンを持ち出し、音楽をならし始めた。ピアノの音、シンプルな旋律が波のように折り重なる。星空が広がるようなイメージの曲だった。
「いいでしょ。今度の劇に合いそうでしょ?」
目を輝かせて俺の顔を覗き込んでくる。
確かに、出会いや独白の部分のBGMにいいかもしれない。聞いている間に、曲はアップテンポに変化した。別の曲だが、よく聞くと同じ旋律がでてくる。曲は数曲あった。どれも同じ旋律から編まれた曲だった。
「これ、何の曲?」
「これ、川村くんが作曲したんだって。」
「川村が?自分で作ったのか?どうやって?」
驚いて川村の顔を見た。
「まだ途中。これを、シーンに合わせていろいろアレンジして、何曲か作ってみるつもりなんだ。」
「そんなことが、出来るのか?」
音楽をやっているとは知っていたが、作曲ができたのか。
「やってみないと分からないけど。。。出来上がりを聞いてみて、使うかどうかは任せるよ。他の選曲も進めておくし。」
いつもポーカーフェイスの川村が照れている。なんか面白い。
「ね。すごいでしょ?」
大野多恵は自分のことのように自慢げだ。
「そうだな。驚いた。川村。すごいよ、お前。」
本当にすごい。こんなの誰にでもできる事じゃない。
「いや、まだ出来てないから。。」
ますます照れている。面白い。
彼女はさらに話を続けた。
「それより、神井くん、これに合わせて詩を書けない?」
詩?歌にするつもりなのか?
「俺は曲に会わせて詩を作るなんて、器用なことはできないよ。」
「無理?」