坂道では自転車を降りて
ある日、書くのに行き詰まって、何気なく周囲を見回すと、彼女が俺を見ていた。照れくさかったが、笑いかけてみる。あれ?無反応。俺の後ろに何かあるのか?振り向いたみたが、廊下の窓があるだけだ。誰か通ったのかな。振り返ると彼女は俺のあげたスケッチブックに鉛筆を走らせていた。しばらくするとまた顔を上げて俺の方をみる。でも、目が合わない。
もしかして、俺の絵を描いてるのか。いやいや、意識し過ぎだって。でも、こっち見てるし。。悶々としながら、問いただす勇気もない。聞いて違うって言われたら、格好悪すぎる。
そんな事が何回か続いて、彼女は段々と近くに座って、ますます俺の顔を覗き込みながら絵を描くようになった。これはもう、間違いないだろ。思い切って聞いてみる。
「俺を描いてるの?」
「うん。動かないから、描きやすい。」
やっぱりそうだったのか。
「なんか、恥ずかしいよ。」
「気にしないで、練習だから。」
あっそう。
彼女は何枚か描いた絵を見せてくれた。
もしかして、俺の絵を描いてるのか。いやいや、意識し過ぎだって。でも、こっち見てるし。。悶々としながら、問いただす勇気もない。聞いて違うって言われたら、格好悪すぎる。
そんな事が何回か続いて、彼女は段々と近くに座って、ますます俺の顔を覗き込みながら絵を描くようになった。これはもう、間違いないだろ。思い切って聞いてみる。
「俺を描いてるの?」
「うん。動かないから、描きやすい。」
やっぱりそうだったのか。
「なんか、恥ずかしいよ。」
「気にしないで、練習だから。」
あっそう。
彼女は何枚か描いた絵を見せてくれた。