坂道では自転車を降りて
「でも、避けられてるだろ?彼女はヤバいって。情も深そうだし、拗れたら絶対面倒だから、やめといてくれよ。」
情が深そう?俺にはそうは見えないが。

「やめとくも何も、脈ないんだから、そんな心配要らないよ。彼女はもっと、なんていうか、、、、俺、何したんだろうなぁ。全然、分からないんだよ。」
「とにかく、やな予感がするんだよ。川村のこともあるし。」
「川村ね。」
「お前も真面目というか、適当にできないから、見てて危なっかしいんだよ。脚本家と舞台監督のお前らがゴタゴタしたら、部が回らなくなるだろ。」
「わかってるよ。でも、俺は本当に何もした覚えはないんだ。避けてるのはあっちなんだから、あっちに言ってくれよ。」
「そうだな。今度話してみるよ。」
「たのむわ。」
川村は俺に彼女と直接話せと言った。あいつは理由を知ってたのかな。

「コンクール。上に行けるかな。」
「行きたいよな。文化祭の感じだと、悪くなさそうだし。」
ここ数年、我が校は優秀賞が定位置で、最優秀賞を獲得し上位大会へ進んだ事がなかった。
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