坂道では自転車を降りて
テストを終えて、部活動が再開した。次の公演はクリスマスだ。クリスマスに絡む短めの本が2本書けていた。どちらかを選んで膨らませても良いし、少し削って2本建てにしてもいい。もう1本書きかけのものがあったが、こっちはどう考えてもクリスマスには間に合わないので出さずにおいた。
今回は事前に彼女のアドバイスを貰う事はできなかったけど、部室に置く分とは別に、1冊渡すと彼女は早速、絵を描いて来てくれた。
あの日結局、彼女とは一緒に帰れなかった。下駄箱で靴を履き替えていたら、北村さんと出くわしてしまったのだ。北村さんは俺と彼女は何か部の用事を終えてたまたま一緒に部室から出て来ただけで、一緒に帰るとは夢にも思っていなかった。彼女と並んで歩きはじめた北村さんは、駐輪所の前までくると当然のように「じゃあね。」と俺に手を振った。俺と北村さんを見比べて困っている彼女をみて、俺も2人に向かって手を振った。自転車を置いて帰ってしまうと次の朝が不便だったし、その日はもう十分な気がしたからだ。
「どっちも、すごくまとまりが良いね。こっちのお母さんと男の子の話は長くしない方が良いと思う。シンプルで小さなお話だから素敵なんだと思う。コメディの方は長くも短くもできるね。どっちも良いけど、私は、この小さなお話がやりたいな。だから、削れるところを削って、2本建てにしてほしいな。背景というか舞台装置を工夫すれば、台詞を削れるシーンがあるね。」
相変わらず正直で忌憚のない意見だな。
今回は事前に彼女のアドバイスを貰う事はできなかったけど、部室に置く分とは別に、1冊渡すと彼女は早速、絵を描いて来てくれた。
あの日結局、彼女とは一緒に帰れなかった。下駄箱で靴を履き替えていたら、北村さんと出くわしてしまったのだ。北村さんは俺と彼女は何か部の用事を終えてたまたま一緒に部室から出て来ただけで、一緒に帰るとは夢にも思っていなかった。彼女と並んで歩きはじめた北村さんは、駐輪所の前までくると当然のように「じゃあね。」と俺に手を振った。俺と北村さんを見比べて困っている彼女をみて、俺も2人に向かって手を振った。自転車を置いて帰ってしまうと次の朝が不便だったし、その日はもう十分な気がしたからだ。
「どっちも、すごくまとまりが良いね。こっちのお母さんと男の子の話は長くしない方が良いと思う。シンプルで小さなお話だから素敵なんだと思う。コメディの方は長くも短くもできるね。どっちも良いけど、私は、この小さなお話がやりたいな。だから、削れるところを削って、2本建てにしてほしいな。背景というか舞台装置を工夫すれば、台詞を削れるシーンがあるね。」
相変わらず正直で忌憚のない意見だな。