坂道では自転車を降りて
ほっとしたのもつかの間だった。ある日図書室へ行くと、あの顔の描かれた石が、俺がいつも座る席に置いてあった。ご丁寧に手紙も一緒だ。「俺の彼女は校外」と俺の字で書かれた面を上にしておいてあった。冷や汗が流れる。慌てて周囲を見回すと、間の悪い事に彼女は既に来ていた。手紙を丸めてポケットに入れながら、パソコンを机に置くと、彼女に後ろから肩をつかまれた。心臓が跳ね上がる。
「それ、神井くん宛?」
「さあ、どうだろう。」
「神井くんの字にみえる。」
「見たの?」
「うん。」
落ち着け。何もやましい事はないぞ。彼女は理知的な人だ。その辺のめんどくさい堕女子とは違う。ちゃんと話せば分かってくれる筈だ。
「その石、可愛いね。」
「そっ、そうかな。」
「神井くん、校外に彼女がいたの?」
「いませんっ。断じて。」
「彼女いないの?」
「彼女はいます。こっ校外じゃないけど。」
「神井くん、彼女いたんだ。へー。どんな子?」
何を言ってるの。彼女は君だろ。
「どんなって、俺の彼女は、、」
背中を嫌な汗が流れる。
「それ、神井くん宛?」
「さあ、どうだろう。」
「神井くんの字にみえる。」
「見たの?」
「うん。」
落ち着け。何もやましい事はないぞ。彼女は理知的な人だ。その辺のめんどくさい堕女子とは違う。ちゃんと話せば分かってくれる筈だ。
「その石、可愛いね。」
「そっ、そうかな。」
「神井くん、校外に彼女がいたの?」
「いませんっ。断じて。」
「彼女いないの?」
「彼女はいます。こっ校外じゃないけど。」
「神井くん、彼女いたんだ。へー。どんな子?」
何を言ってるの。彼女は君だろ。
「どんなって、俺の彼女は、、」
背中を嫌な汗が流れる。