坂道では自転車を降りて
「やっ。」
ガウンとネグリジェを力任せに引きちぎる。白く細い肢体が俺の下で暴れた。俺は無言で彼女を犯し始めた。

「お願い、やめて。」
 彼女は俺にだけ聞こえる小さな声で懇願するように言った。少し大きな声を出せばすぐに家の中から家族が出てくるだろうに、助けを呼ぶつもりはないらしい。

「ごめんなさい。お願いだから、止めて。」
そうか。君はそうやって、誰にでも身体を差し出すんだな。そういう女だったんだ。だったら遠慮する事ないよな。やりたいだけやって、めちゃめちゃにしてから、ゴミ箱に捨ててやる。

 頭のどこかで声がする。やめろ。お前は本当にそれでいいのか?彼女は本当にそんな娘なのか?やめろっ。

「お願い。やめて。神井くんが壊れちゃう。」
俺が壊れる?ハッとして手が止まる。彼女は双方の目から涙をぽろぽろ流しながら、俺の頬にそっと触れた。
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