坂道では自転車を降りて
「私に、何かできる?私、休もうか?私の代役なら最悪、当日でも美波さんができるんじゃないかな。装置は椎名くん達に任せて問題ないよ。」
「。。。君は強いな。」
思わず口からでた。彼女は俺を見て悲しそうに笑った。
「私だって、とっくに限界超えてるよ。でも、ちゃんとしないと、みんなに迷惑がかかるよ。」
彼女の目が、涙で大きく見開かれる。
「確かに。君のいう通りだ。」
「しっかりしてよ。」
無理矢理笑うと、とうとう涙が瞳からこぼれ落ちた。

「情けない話だけど、、、」
「公演が終わるまで、俺の彼女でいてくれる?終わったら、もう一度、話をして貰えないかな?」
「わかった。そうしよう。」
「君に謝らないといけないことが、たくさんある。」
「それは、もういいよ。お互い様だから。」
「。。。。。」
「そういえば、昨日、電話なかったね。」
「それも、ごめん。」
「その話も、公演が終わったらだね。」
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