坂道では自転車を降りて
「お前の為じゃないし。」
川村は客席へ戻って行った。清水先輩に呼ばれ、近くに座らされている。川村と鈴木先輩。このツーショットは、心臓に悪い。
「高橋、お前なんか川村に余計な事しゃべらなかった?」
「何の話ですか?」
説明すると墓穴を掘りそうなのでやめた。
額に脂汗を滲ませていると、大野さんが緞帳の降りた舞台を横切ってこっちへやってきた。唇を強調する真っ赤な口紅、目の周りも黒く縁取られ、やたら目がデカいし、鼻筋も異様に強調されている。お面のような舞台メイクだ。白いモコモコポンチョ。ふわふわの赤いミニスカート。頭には巨大なリボン。スレンダーで控えめな雰囲気の彼女には全然似合わない派手な衣装。胸にも絶対なんか入ってる。それにこんな格好で舞台の上に立ったら、パンツ見えちゃうんじゃないの?っていうか、こんな服、誰が着せたんだよ。初々しい中学生のカップルって設定に変更した筈だぞ。
「神井くん。大丈夫?すごい汗。」
「いや、これは。。。それより、そのスカート、そんなでいいの?」
「これ?美波さんのなんだって。見せパンだから大丈夫だよ。」
ぱらりとスカートをめくってみせる。目眩がする。
「ばかっ。やめろって。」
「はぁい。」
ペロリと舌を出して肩をすくめる。すこしぎこちない笑顔。でも笑顔だ。俺達は恋人同士。今はまだ。
それにしてもフリルのだらけで、どこからがパンツなんだかわからんかった。
川村は客席へ戻って行った。清水先輩に呼ばれ、近くに座らされている。川村と鈴木先輩。このツーショットは、心臓に悪い。
「高橋、お前なんか川村に余計な事しゃべらなかった?」
「何の話ですか?」
説明すると墓穴を掘りそうなのでやめた。
額に脂汗を滲ませていると、大野さんが緞帳の降りた舞台を横切ってこっちへやってきた。唇を強調する真っ赤な口紅、目の周りも黒く縁取られ、やたら目がデカいし、鼻筋も異様に強調されている。お面のような舞台メイクだ。白いモコモコポンチョ。ふわふわの赤いミニスカート。頭には巨大なリボン。スレンダーで控えめな雰囲気の彼女には全然似合わない派手な衣装。胸にも絶対なんか入ってる。それにこんな格好で舞台の上に立ったら、パンツ見えちゃうんじゃないの?っていうか、こんな服、誰が着せたんだよ。初々しい中学生のカップルって設定に変更した筈だぞ。
「神井くん。大丈夫?すごい汗。」
「いや、これは。。。それより、そのスカート、そんなでいいの?」
「これ?美波さんのなんだって。見せパンだから大丈夫だよ。」
ぱらりとスカートをめくってみせる。目眩がする。
「ばかっ。やめろって。」
「はぁい。」
ペロリと舌を出して肩をすくめる。すこしぎこちない笑顔。でも笑顔だ。俺達は恋人同士。今はまだ。
それにしてもフリルのだらけで、どこからがパンツなんだかわからんかった。