坂道では自転車を降りて
「ねぇ。」
思い切って声をかける。彼女は立ち止まった。恥ずかしいから嫌とか言うかな?どうだろう。
「手を、その、繋いでもいいかな?はぐれそうで。」
言うと、彼女は、ああそうだねと言いながら、とくに気にしたふうでも無く笑顔で手を出して来た。ほっとして手を取ろうとすると、いきなり引っ込めた。なんで?
「あれ?」
彼女も自分でも訳が分からない様子で言った。もう一度、手を出そうとするので見ていると、今度はなかなか出てこない。俺が手をのばすと、また引っ込めた。
「何やってんの?」
からかってるのか?それとも、俺が怖くなっちゃった?
「いや、何って、言われても。」
今度は震える手が、ゆっくりと差し出された。今度こそしっかりと掴む。手はまたピクリと引っ込もうとしたが、俺はしっかり握って離さなかった。顔を見るともう一方の手を口元に充てて、俯いて震えている。みるみる紅くなって、瞳が潤み始める。
「ごめん。なんでかな、急にすごいドキドキしちゃって、今更、変だよね。」
「変じゃないよ。俺だって、ドキドキするもん。」
手を繋いだだけで、こんなに震えてしまう君に、いきなりあんな事した俺の方が変だったんだ。これからは、もっとゆっくり、一歩ずつ、大事にするから、きっとするから。
「変だな。山田くんとは普通に繋げたのに。」
「。。。。。」
なんで、そういう事を言うかな。
思い切って声をかける。彼女は立ち止まった。恥ずかしいから嫌とか言うかな?どうだろう。
「手を、その、繋いでもいいかな?はぐれそうで。」
言うと、彼女は、ああそうだねと言いながら、とくに気にしたふうでも無く笑顔で手を出して来た。ほっとして手を取ろうとすると、いきなり引っ込めた。なんで?
「あれ?」
彼女も自分でも訳が分からない様子で言った。もう一度、手を出そうとするので見ていると、今度はなかなか出てこない。俺が手をのばすと、また引っ込めた。
「何やってんの?」
からかってるのか?それとも、俺が怖くなっちゃった?
「いや、何って、言われても。」
今度は震える手が、ゆっくりと差し出された。今度こそしっかりと掴む。手はまたピクリと引っ込もうとしたが、俺はしっかり握って離さなかった。顔を見るともう一方の手を口元に充てて、俯いて震えている。みるみる紅くなって、瞳が潤み始める。
「ごめん。なんでかな、急にすごいドキドキしちゃって、今更、変だよね。」
「変じゃないよ。俺だって、ドキドキするもん。」
手を繋いだだけで、こんなに震えてしまう君に、いきなりあんな事した俺の方が変だったんだ。これからは、もっとゆっくり、一歩ずつ、大事にするから、きっとするから。
「変だな。山田くんとは普通に繋げたのに。」
「。。。。。」
なんで、そういう事を言うかな。