坂道では自転車を降りて

みんながそれぞれ休憩に入る。ざわつく中、多恵が笑顔で俺に近づいて来た。
「土日、空いてる？」
小さな声で囁かれ、嫌でも鼓動が早まる。デートか？
「。。。どっちも、空いてるよ。」
なるべく平静な顔で言う。
「よかった。両方空けといて。今日は？一緒に帰れる？」
「おう。」
顔が。。デレる。
「じゃあ、また後で。」

原と彼女は隣の教室へ移動した。どうしたものかと思ったが、気になったので買って来たお茶を持って覗いてみる。原と２人で何やってんだ？原は親友だ。そんな心配あり得ないのに、不安になってしまう自分が嫌になる。２人は真剣な面持ちで話していたた。

「本当に大丈夫？」
原が言う。
「うん。多分。」
彼女が決意を込めた目で笑う。
俺に気付くと２人とも少し慌てた様子だった。なんか、気になるな。
「じゃあ俺、山田と、あと誰が良いかな。まあ適当にやっとく。」
「うん。よろしく。」