坂道では自転車を降りて
原が部員に声をかけて、部の話し合いが再開した。どうするつもりなんだろう。多恵と何を話していたんだろう。
「神井の本とこっちの既成の脚本のことはとりあえず置いといてさ、生駒さんの書いた本に関してのみんなの意見を聞きたいんだ。やりたい、やりたくない、理由も、実現するとしたら、どうやるかも、なんでもいいから。」
「ぶっちゃけ、間に合わないってのが、現実じゃないの?」
「そうそう、未完成なまま公演になったら、嫌だよ。」
「それに関しては、今は考えなくていい。俺に秘策がある。この本をみんなでやりたいか?ということや、高校生の演る本としてどう思うかということから、聞きたい。秋に回すとしても、1年も2年生の意見を聞いておきたいだろう?」
「この本、意気込みは分かるよ。でも、過激すぎるよ。」
「どの辺がですか?」
「この辺、こんなヤツ、現実にいないよ。流れだって唐突だ。」
「いなくても良いでしょう。劇なんだから。」
「このへんは削ったらどうだろう?」
「そこ削ったら意味ないだろ。」
議論は白熱した。部員どうしがこんなに真剣に話し合いをしたのは、初めてではないだろうか。原は、皆の意見を上手くコントロールしながら、なかなか意見を言わない部員に意見を出させた。驚いたのは山田だ。いつもは、黙って話を聞いていて、最後に結論を纏め、自分の意見をあまり言わないやつだったのに、熱くなって口の回らなくなっている生駒さんを助けて、鋭い切り口の意見を次々述べた。
「神井の本とこっちの既成の脚本のことはとりあえず置いといてさ、生駒さんの書いた本に関してのみんなの意見を聞きたいんだ。やりたい、やりたくない、理由も、実現するとしたら、どうやるかも、なんでもいいから。」
「ぶっちゃけ、間に合わないってのが、現実じゃないの?」
「そうそう、未完成なまま公演になったら、嫌だよ。」
「それに関しては、今は考えなくていい。俺に秘策がある。この本をみんなでやりたいか?ということや、高校生の演る本としてどう思うかということから、聞きたい。秋に回すとしても、1年も2年生の意見を聞いておきたいだろう?」
「この本、意気込みは分かるよ。でも、過激すぎるよ。」
「どの辺がですか?」
「この辺、こんなヤツ、現実にいないよ。流れだって唐突だ。」
「いなくても良いでしょう。劇なんだから。」
「このへんは削ったらどうだろう?」
「そこ削ったら意味ないだろ。」
議論は白熱した。部員どうしがこんなに真剣に話し合いをしたのは、初めてではないだろうか。原は、皆の意見を上手くコントロールしながら、なかなか意見を言わない部員に意見を出させた。驚いたのは山田だ。いつもは、黙って話を聞いていて、最後に結論を纏め、自分の意見をあまり言わないやつだったのに、熱くなって口の回らなくなっている生駒さんを助けて、鋭い切り口の意見を次々述べた。