坂道では自転車を降りて
 朝飯を食べながら議事録を読み、食べ終わるとまた書いた。なんだか脈絡なく台詞だけが増えていく。こんなんでまとまるんだろうか?2時頃、電話がかかって来た。
「気分転換に散歩しない?外に出ないと頭働かないでしょ。」
「そうだな。」

家を出て、公園で待ち合わせる。
「なんか、君、小説家の担当編集者みたいだな。」
「ああ、そうかもね。」
「駅前でドーナツ買ってこいって言ったら、買ってくるんだろ?」
「あははは。すごい。私、敏腕編集者になれるわ。」
彼女は笑いながら、鞄から駅前の店のドーナツの袋を出した。俺は目を丸くした。

「え、なんで??なんであるの??」
「なんででしょうね。予知能力?」
「どういうこと?」
「さあ、私にもわかりません。」
「え、たまたま?」
「そう。たまたま。あはは。面白いね。缶コーヒーもあるよ。食べる?」
「食べるけど。。。本当になんで?」
彼女は笑っていた。
「さあ、、発想が、、ベタなんじゃない。お互いに。」
「。。。。」

 ベンチに腰掛けてドーナツを食べる。野球用グランドでは野球小僧が野球をしていた。
「ちょっと、寒いね。大丈夫?」
「私??私は大丈夫だよ。神井くん寒いの?大丈夫?」
「ちょっと身体、動かすかな。」

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