坂道では自転車を降りて
「で、どうしたの？すぐ別れたの？」
「あっちは、別れたくないって、最後は泣かれて、参った。」
「なんか、面倒だよな。。」
「何？もう面倒になったの？」
「いや、そういう訳じゃないんだけど。」
「実際のところ、お前ら、いつから付き合ってたの？」
「告白されたのは２学期の実力テストの時。」
「あっちから告白されたんだ。意外だな。」

「いや、彼女は告白したつもりはないと思う。顔見たくないって言われたんだけど。」
「あぁ、そう言えば一時期、避けまくられてたよな。それのどこが告白なの？」
「だって、俺の顔見ると、ドキドキして泣きそうになるから会いたくないって。これって、告白だろ。」
「うーん。」

　確かに、あの時どうしてそう思ったのかは、自分でもよく解らない。言葉ではなく、表情とか、それまでの経緯とか、そういうものだろうか。でもその直感が浮かんだとき、不思議と疑いは無かった。

「まあでも、彼女らしいというか、お前らしいと言うか。」
「それまですごく良い感じたったのに、突然、避けまくられて。。なんとか捕まえてみれば、会うのが怖いとか、飯が食えないとか、それも泣きながら言うんだぜ。そこはもう、抱き締めるしかないだろ？」
「彼女泣いたの？へー。それは、なんか、びっくりというか、俺でもドキッとするかもな。」
「だろ？」
「それで、いきなり捕まえて抱きしめたの？」
「だって、逃げ回るから。」

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