坂道では自転車を降りて
俺と川村は体育館への渡り廊下を歩いていた。脚本は3日で書き上げて、採用された。役者も決まり、俺の初めての演出が始まった。
「音のイメージって、なんかある?」
川村は俺に聞いた。仕事熱心なことだ。
「いや、全く。。今は音まで気が回らない。今から稽古見るんだろ。ある程度できたら聞かせて。」
「了解。」
会話は弾まなかった。
「大野さんと、仲良いんだな。」
言ってから後悔した。何を言っているんだ俺は。彼女はその後も沢山絵を描いてくれて、何かと話しかけてくるようになった。だがそれは俺が今度の舞台の演出になったからだ。
「まあ、毎日一緒に作業してるからね。鈴木先輩ほどではないけど。」
「変な事するなよ。彼女に逃げられたら、来年、裏がお前一人になっちまう。」
「分かってるけどさ、、」
川村は大きくため息をついた。
「彼女って、無防備もいいとこでさ。スカートで脚出してノコギリ使うし、作業中に身体とかがぶつかっても、全然気にしてないみたいで。天然なのは分かるんだけど、自分が女だって知らないんじゃないか?なのに今日はこれだろ。」
図書室での彼女を思い出し、なるほどと納得した。
「真面目でいい子なんだけど、ちょっとズレてるっていうか、変な所に地雷がいっぱいあるんだよ。それにすんげー鈍感だし。」
「鈍感?」
「音のイメージって、なんかある?」
川村は俺に聞いた。仕事熱心なことだ。
「いや、全く。。今は音まで気が回らない。今から稽古見るんだろ。ある程度できたら聞かせて。」
「了解。」
会話は弾まなかった。
「大野さんと、仲良いんだな。」
言ってから後悔した。何を言っているんだ俺は。彼女はその後も沢山絵を描いてくれて、何かと話しかけてくるようになった。だがそれは俺が今度の舞台の演出になったからだ。
「まあ、毎日一緒に作業してるからね。鈴木先輩ほどではないけど。」
「変な事するなよ。彼女に逃げられたら、来年、裏がお前一人になっちまう。」
「分かってるけどさ、、」
川村は大きくため息をついた。
「彼女って、無防備もいいとこでさ。スカートで脚出してノコギリ使うし、作業中に身体とかがぶつかっても、全然気にしてないみたいで。天然なのは分かるんだけど、自分が女だって知らないんじゃないか?なのに今日はこれだろ。」
図書室での彼女を思い出し、なるほどと納得した。
「真面目でいい子なんだけど、ちょっとズレてるっていうか、変な所に地雷がいっぱいあるんだよ。それにすんげー鈍感だし。」
「鈍感?」