坂道では自転車を降りて
「だろうな。でもこの問題は、お前らでなんとかしろ。俺が出たって何の解決にもならないし、そもそも俺には何もできる訳がない。それになんでも先輩に頼るな。4月になったらお前らが先輩なんだぞ。お前が舞台監督で、突然女の子が4人も入部してきて、1人で仕切れって言われたら、お前どうする?多恵はそれをやってたんだ。それを男4人で苛めて楽しんでたなんて。自分よりも背も高いごっつい男4人に囲まれて、よってたかって、泣くまでからかわれるのを想像してみろ。バカかお前らは。
 今の話を聞いたからには、俺はもう彼女には戻ってもらいたくないね。だいたいだ。俺はお前らのせいで、先週なんか一度もマトモに彼女の顔見てなかった。やっと一緒に帰ったのが昨日で。。週に一度でいいから、顔見て話そうって、約束したところだ。お前らはその間も彼女と会ってたんだろ。なんで俺がお前らの為に、貴重な逢瀬の時間を削ってそんな話をしなきゃなんないんだ。顔さえ見られなくなってる原因を作ってるお前らの為に。え?」

話している間にまた頭に血が昇ってしまい、関係ない事までまくしたててしまった。

「そんなに、会ってなかったんですか?」
「仕方ないだろ。部活あるんだし。。」
「。。。。すみません。俺達。。でも、あれ、じゃあ先週は、大野先輩は、何してたんですかね?」
「俺だって、知らねぇよ。こっち来てなかったなら、美術部にでもいたんじゃないの?」
「そうなんですか。。」

「ムカムカしてきた。お前、殴っていい?もちろん、明日、椎名も殴るけど。」
「それは。。。」
「だったら、話はこれで終わりだ。もう帰れ。俺に殴られない間に。」
「はい。。分かりました。ありがとうございました。」
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