坂道では自転車を降りて
はぁ。。そんなことになってるとはな。。多恵は大丈夫なのか？」
「それと、すみませんでした。先輩の大事な彼女に。。」
「謝るなら本人に謝れよ。俺よりお前らの方が、よっぽど親しいだろ。俺の大事な彼女じゃなくて、お前らの大事な先輩だろ。自分らでなんとかしろっ。間違ってもまた泣かすなよ。」
「はい。」

すごすごと帰ろうとする高橋に、黙って話を聞いていた原が声をかけた。
「高橋。」
「はい。」
「大野さんと話す前に、一年全員でよく話し合え。それから、来年、裏のとりまとめを誰にするか、自分たちでも話し合っといて。」
「分かりました。ありがとうございました。」

「それと、教えてくれてありがとう。」
「いえ。。。」
「神井も、知らずにいるよりよかっただろ？」
「。。。。」
確かに、ずっと知らずにいたらと思うと恐ろしい。黙って頷いた。
「これからも、報告はしてもらえると助かる。ありがとう。」
高橋は帰って行った。

「はぁっ。」
興奮がなかなか収まらない。ソファーに座って息を吐いた。
「どうどう。。」
原が声をかける。
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