坂道では自転車を降りて
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「え。なんで?」
彼女は不思議そうに尋ねた。
「一緒に帰ろう。送るよ。」
「だって、ここから家まで5分くらいしか。」
言いながら、近づいて俺に触れた。
「わかってるよ。いいんだ。」
「やだ。。本物だ。」
泣きそうな声を漏らすと、何度も腕に触って確認している。
「迷惑じゃなかった?」
「うれしいけど、、。。うそ。なんで?」
まだ信じられないと言った様子だ。
自転車は交番の前の駐輪所に停めさせてもらった。手袋を外して手を繋ぐ。バスの中にいた筈なのに彼女の手は冷たかった。細い指先。
「帰り歩かないといけなくなっちゃったけどいいの?」
「いい。大した距離じゃない。それに、このために待ってたんだから。」
「どのくらい待ってたの?」
「電話した時からだから、10分か15分だよ。台本直してた。」
「。。。。ごめん。じゃないね。。。。ありがとう。」
「顔が見たくて。。さ。」
「ねぇ、多恵、演劇部、辛くない?」
「なんで?」
唐突な質問に意味が分からないらしい。
「さっき、高橋が来て。君、あいつらにからかわれて泣いたんだって?」
「。。。。。」
視線を落とした。やっぱり、かなり凹んでるらしい。
「え。なんで?」
彼女は不思議そうに尋ねた。
「一緒に帰ろう。送るよ。」
「だって、ここから家まで5分くらいしか。」
言いながら、近づいて俺に触れた。
「わかってるよ。いいんだ。」
「やだ。。本物だ。」
泣きそうな声を漏らすと、何度も腕に触って確認している。
「迷惑じゃなかった?」
「うれしいけど、、。。うそ。なんで?」
まだ信じられないと言った様子だ。
自転車は交番の前の駐輪所に停めさせてもらった。手袋を外して手を繋ぐ。バスの中にいた筈なのに彼女の手は冷たかった。細い指先。
「帰り歩かないといけなくなっちゃったけどいいの?」
「いい。大した距離じゃない。それに、このために待ってたんだから。」
「どのくらい待ってたの?」
「電話した時からだから、10分か15分だよ。台本直してた。」
「。。。。ごめん。じゃないね。。。。ありがとう。」
「顔が見たくて。。さ。」
「ねぇ、多恵、演劇部、辛くない?」
「なんで?」
唐突な質問に意味が分からないらしい。
「さっき、高橋が来て。君、あいつらにからかわれて泣いたんだって?」
「。。。。。」
視線を落とした。やっぱり、かなり凹んでるらしい。