坂道では自転車を降りて
マテも出来ないの?犬、以下ね。
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彼女は、倉庫で引き戸を見ていた。
「ほら、ちゃんと動くようになったよ。」
隣で見ていた高橋ににっこり笑う。
「修正したところは、ちゃんと図面に残しておかないと。」
ファイルを手に取ると、立ったまま図面を記入し始めた彼女を、高橋は突然、背後から抱きすくめた。

「こんなところで、男と2人きりになっちゃ、ダメだろ。」
「え、え。」
彼女は驚いて身を捩ったが、高橋は腕に力を込めて逃がさない。

「おしおき。」
言いながら、彼女の胸の膨らみを両手で掴んだ。図面の束がバラバラと床に落ちる。

「あっ。やだっ。んぁっ。」
彼女はビクッと震えて一瞬目を閉じたが、すぐに立ち直り、抵抗して暴れだした。高橋は笑って彼女を腕から解放した。解放された彼女はじりじりと入り口へ後ずさる。入り口にも男が立っていた。俯いたまま、入って来た男の横をすり抜けようとした彼女の腕を男が掴む。

「あっ。」
悲鳴をあげる間もなく、彼女の両腕は織田にひねり上げられていた。織田の後ろから椎名も姿を見せる。

「痛ったい。離して。」
顔を真っ赤にして暴れても、彼女の細い腕は男の手に掴まれてびくとも動かない。藤沢も現れ、彼女は4人の男に囲まれて、身動きが取れなくなった。

「ちょっと。何?、痛いから離して。」
戸惑い怯えながら、平静を装い姿勢を正し、少し大きめの凛とした声で言う。
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