坂道では自転車を降りて
「彼女、どんな感じ?」
「何が?」
「付き合ってみたら、意外とワガママとか、実はエッチとか、そーゆーのないの?」
「あー、不思議な子だなーとは思ってたんだけど、相変わらず理解不能。それにかなり天然で。」
「それは知ってただろ?」
「時々、すごい爆弾発言。」
「ははっ。いいじゃん。面白くて。」
「良くねぇよ。俺は大やけどだよ。。」
「あー。そういう意味か。。それで、道ばたで抱きしめちゃったりしてる訳ね。」
「。。そうです。正直かなり疲れています。」
「ぎゃはははっ。いい気味だ。せいぜい振り回されろっ。おもしれぇから。」
「。。。。。」
「で、ドコまで行った?そろそろやった?」
おいおい。朝から教室で話すような内容じゃなくなって来てるぞ。
「見てりゃ分かるだろ。そんなの無理だよ。」
「そうなの?なんか、彼女、急に綺麗になったから。。そっか。まだなんだ。」
「そうです。彼女は見かけ通りの真面目ちゃんなんです。」
「確かに、晩生そうだよな。」
飯塚は分かったような顔をした。一時は随分と熱心だったのに、そんな誰にでも分かりそうな事しか知らないこいつが、なんか不憫だ。
「んで、他には?なにが揉めてんの?」
「部で、、、彼女がちょっと浮いた感じになっちゃって。」
「なんで?」
「もう1人いた裏方の2年が、俺のせいで辞めちゃって。そしたら1年の男共にいびられてるらしくて。」
「そんなの気のせいじゃないの?彼女、見かけはああだけど、部では裏方を仕切ってて、中身はバリバリだって言ってたじゃん。黙っていびられてるような子じゃないんだろ?」
「それはそうなんだけど。」
「1年が言う事聞かなくて、ヒステリー起こしてるってこと?」
「いや、俺もよく分からないんだが。。。」
俺との事をからかわれて泣いたなんて、言いたくない。