坂道では自転車を降りて
「わかった。とりあえず、話してみる。」
「で、お前は少し熱を冷ませ。」
「うっ。」
まるで子供扱いだな。。情けない。。
「俺も悪かったよ。お前をからかうのが面白くて、彼女の周囲への影響をあまり考えてなかった。よく考えたら彼女の方が大変だった筈だよな。」
部室で彼女を抱き上げたりした時のことを言っているのだろう。
「この状況で彼女を心配するなというほうが無理だ。早急になんとかしよう。お前がいつまでもこのままじゃ困る。」
「俺、そんなに変かな。」
「まず、その情けない顔をやめろ。」
俺はそんなに情けない顔をしてるのか。
「。。。ごめん。」
「しっかりしてくれよ、相棒。」
原は困ったように、でも笑って言ってくれた。
「分かった。」
「まあ、ちょっとうらやましいけどな。」
「なんで?」
「それだけ夢中になれるってことが。」
「そうかな。。」
「織田は、普段は黙って周りを観察してるけど、話し始めると止まらないぞ。後輩だと思って舐めてかかると、言い負かされるから気をつけろ。それに、彼女とも気が合いそうだから、横取りされないように、釘刺しておけよ。」
「言い負かされる?俺が?」
「お前、彼女のことになると、全然、頭が回ってねぇじゃん。」
そうだったのか。。