坂道では自転車を降りて

「はぁはぁっ。疲れた。こっちのほう、初めて来た。」
俺は自転車を停め息を弾ませて言った。
「ごめん。」
彼女が言う。
「もう、謝るな。」
まだ息が切れる。鞄からさっき買ったお茶を出して飲み、彼女に渡す。

「振り回してゴメン。」
「君、なんかあったでしょ?」
「。。。。。」
彼女はペットボトルを見ながら下を向いた。
「そりゃ、最近セーブしてたけど、泣くほど、不安になるかな。」
「。。。。。」
「俺には言えないこと?」
「。。。。。」

考えるような顔をしている。
「無理には聞かないけどさ。」
そう、無理矢理聞いたって、ろくなことがない。俺は彼女の手からペットボトルを取り返し、もう一度、飲んだ。ふぅ。。

「あなたを、、振り回してるって。周り中の人に迷惑かけてるって。」
「言われたのか?誰に?」
「直接、私に言った訳じゃない。でも、聞こえた。」
「それ、信じてんの?」
「君を、振り回して疲れさせてるのは事実だと思う。」
「確かに、むちゃくちゃ振り回されてるな。」
「ごめんなさい。」
「でも、君にじゃない。」
「?」
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