坂道では自転車を降りて
「今、パンツって、大野さんにパンツあげるの?」
椎名はいつものように黙り込んだ。
「いや、それは冗談です。でも、神井先輩はセクシーなランジェリーとか、あげないんですか?」
織田が代わりに答える。
「そんなの、ドン引きされて終わりだろ。だいたいどうやって買うんだよ。」
「そうですよね。大野先輩と神井先輩ですもんねぇ。」
「清い交際してますねぇ。」
高橋と織田がからかうように言う。最近こいつらにはなんとなく弱い。織田に説教されて以来、強く出れなくなってしまい、いいようにからかわれている。
「清いって程じゃないみたいだけどね。」
原が余計な事を暴露する。
「うわー。めちゃくちゃ気になる言い方。具体的にはどの辺までなのか、部長は知ってるんですか?」
「おいっ。」
まさかばらしたりしないとは思うけど、、思わず声をかける。
「んー。ひ・み・つ。」
「だーっ。部長はケチだなー。」
「俺だって命は惜しいからな。」
「なぁ、椎名。」
俺は椎名に声をかけた。椎名はびっくりしたように俺を見た。
「大野さんは、何貰ったら喜ぶと思う?」
「なんで俺に聞くんですか?」
「いや、なんとなく。」
このままずっと口をきかないで引退はしたくない。椎名だって、何かのきっかけを探しているはずだ。
「。。。。」
「俺は彼女が好きだし、大事に思ってるけど、、実際には、よく知らないというか、分からないんだよ。付き合い短いし、女の子なんか初めてだし、それに、彼女、なんか、普通じゃないというか、よく分からなくないか?」
俺と椎名以外の全員が、爆笑した。