坂道では自転車を降りて
「おはようございます。」
突然後ろから声をかけられた。
「お、おはよう。」
高橋だった。
「入らないんですか?」
「え、っと、入るけど、先にどうぞ。」
高橋が入室する。
「でも、あ、、、。高橋くんおはよう。」
「おはようご、ざ・・・います。」
高橋が泣いている彼女にうろたえているのが分かる。
「演劇部。楽しかった。こんな私と一緒にやってくれて、本当にありがとう。」
「そんな、俺達こそ。。」
高橋を加え、4人は和やかに裏方組の思い出に浸っているようだった。藤沢もいずれ現れるだろう。もしかしたらもう中にいるのかもしれない。
「放課後には本番だね。私、昨日、照明の練習してないけど、大丈夫かな?」
俺は入室できずに立ち去った。