坂道では自転車を降りて
「こうやってカメラ持ち歩いていると、たまーにお宝写真が撮れちゃうというか、とりたい画に遭遇しちゃうんですよね。みんなに見せる訳にもいかないし、でも誰かに見せたいし。先輩、要ります?」
「それ、他のやつには見せてないだろうな。」
「これは、神井先輩と椎名だけの予定。本人にもみせるつもりはないです。それより、要ります?要りません?」
「要る。」
悔しいが、どうしようもない。
「4枚とも?」
「そうだ。」
「なんだ、やっぱり欲しいんじゃん。」
「でも、他のヤツにはもう見せるな。」
本当は椎名にもみせないで欲しかった。
「そんなの、分かってますって。」
これで、もう織田に文句を言う事はできなくなってしまった。
「多恵には、どんな写真を見せてたの?」
「秘密です。見たかったら大野先輩に見せてもらってください。それに、あれは大野先輩にしか譲りませんから、安心してください。ただ、大野先輩が誰かに見せたりしても、それは俺の責任じゃないですよ。」
「?どういう意味だ?」
「とにかく、今は見せられません。大野先輩にあげられなくなったら困る。」
「かっこいいって言ってたぞ。」
本当はエロいのほうが気になるけど。。
「たまたまですが、実物よりもずいぶんかっこよく撮れましたね。」
「多恵のカッコいい写真なら、俺が見たって良いだろう?」
「大野先輩が自分の写真なんか欲しがるわけないじゃないですか。」
「じゃあ、誰の、、」
自分で言ってから、気がついた。
「あ。。。俺のか。」