坂道では自転車を降りて
さすがに2人じゃないよな。でも、何その合コンみたいな流れ。そういうの気付かないのかな。あぁ、写真部員が全員男とも限らないのか。
「うん。」
君もなんか嬉しそうだし、、やだやだ。
「そうなんだ。どこ行くの?」
「分からない。雨で順延だから、屋外だとは思うけど。」
「そうなんだ。」やだやだ。
「うん。」
「そうなんだ。」やだよ。
「神井くん。さっきから、そうなんだ ばっかり。」
突然彼女が笑い出した。
「そうかな?」
だって、嫌なんだ。
「そうだよ。」
笑顔で俺を見た彼女がちょっと怪訝な顔になる。多分、俺の表情が険しかったからだと思う。
「あー。ごめん。正直、ちょっと、やな気分なんだ。」
「。。。。」
「だって、他の男と出かけるんだろ?」
「だね。でも、2人じゃないし、写真教わりに行くだけだよ。それに織田くんだよ。」
彼女が怯えるような表情になる。ごめん。そんな顔させたい訳じゃないのに。
「だな。だから、ダメとは言わないというか、言えないけど。」
「嫌なの?」
「俺、心が狭いな。わかってる。気にしないで行って来て。」
「だったら、一緒に来る?一緒に写真を教わったら良いじゃん。」
「えっ。あ、いいのかな?」
「聞いてみるよ。多分、大丈夫だと思う。」
「それに俺、カメラ持ってない。」
「家には何かしらあるんじゃないかな。私コンパクトデジカメも持ってるから貸そうか?普通のデジカメやスマホでも、取り方を工夫するとかなり違うし。撮ったの見せ合ったりできるし。楽しそう。あ、良い事考えた。」
「うっ。すっげーやな予感。」