坂道では自転車を降りて

「どうせなら被写体になってよ。練習用の。」
「やっぱり。。」
「だめ?」
「やだよ。いいよ。俺は行かない。」
「えー。一緒に行こうよ。ね?」
「だったら、君の写真も撮らせてくれる?」
「うん。いいよ。織田くんともそういう約束だし。一緒に教えてもらいながら撮ったらいいよね。」
「えっ。」
「織田くん、私で撮りたいって。」
「えっ。」
「私、絵はもう慣れたけど、写真は嫌だったから、ずっと断ってたんだ。」
「えっ。えっ。」
ずっとっていつから?

「でも、最近いろいろあって、お世話になったから、、まあいいかって。それに、私もちょっと考えてる事があって。」
「えーっ。」
で、撮らせるの?
「ついでに写真の取り方を教えてもらう事になったの。」
「。。。。そうなんだ。」

 これって、織田が、彼女をモデルに写真を撮るってことだよな。俺の許可も得ずに?他人ならまだしも、ついこの前まで毎日顔見てて、俺の彼女だって知ってるよな。なんで話さないの?ってか、君もだ!なんで俺に話さないの?それに、最近いろいろって、何があったの?
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