坂道では自転車を降りて

「あぁ、でも神井くんに撮られたら、私、緊張しちゃうかも。でもでも、やっぱり一緒に行かれたら嬉しい。ねぇ、来てくれる?」
「あぁ。。」
隠してたのか?
「本当!嬉しい。織田くん、きっと上手な撮り方教えてくれるよ。私も格好良く撮るから、神井くんを撮らせて。ね。」
「あぁ。。」
「本当ね。」
隠してた訳じゃなさそうだけど、、
「あぁ。。」
なんだか、すっげー疎外感。
「ぶぶっ。今度は『あぁ。』ばっかり。笑。どうしたの?」

彼女は無邪気に笑ってるけど、、、俺の腹の中にはムラムラと怒りが湧いて来た。織田はいったいどういうつもりなのか。
「わかった。俺も行く。っていうか行かせて。俺から織田に電話しておくよ。」
「あ、そうだね。それが早いね。」
なんなんだよ。どういうことだよ。これはっ。


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