坂道では自転車を降りて
「あとは、美術部でモデルしてるとき、こんなポーズをこんな構図で描きたいなーと思ってポーズとっても、結局、自分じゃ描けないでしょ?写真に撮ってもらえば良いんだって、気付いたわけ。」
「それは一理あるけど。。。」
言われてみれば、美術部でのモデルの方が、もっと気になる。だって、俺の知らない男が、君の身体を穴が開くかってほど見て、あろうことか裸の身体のラインとか、乳房まで、勝手に描いてた。あの時は、驚きすぎて思考が完全に停止してた。
「それとね、私、神井くんの写真が欲しくて。織田くんに頼んで、撮ってもらったの。すごくカッコいいの撮ってくれたよ。その時、織田くんの撮った写真を他にもいろいろ見せてもらったら、すごく格好良くて絵に描いてみたい写真が結構あって。譲ってもらったりして。ただ、ちょっと、皆に見せるとまずい写真とかもあったりして。」
「共犯者的な?」
「だね。だから、ちょっと断れなくて。」
はぁ。。。なんだかなー。もうどうでも良いような気がしてきた。そんなの気にしてる俺の方が変なのかな?
「俺も、君の写真、持ってるよ。」
「知ってる。」
やっぱり知ってたのか。
「見る?」
「別にいいよ。恥ずかしいから。」
「俺は、ちょっと気になるな。君が持ってる俺の写真。」
「ああ、、だったら、今度ね。」
「前も、今度って言ってたよ。」
「そうだっけ?ふふっ。」
見せる気はないんだな。